“この選曲センスあるね〜”
“Samidareさんのセンスいいな!”
音効さんやっていると、
センス
という言葉で褒められる、評価されることってありますよね。もちろん「センスに合わない評価」という悪い評価も受けることがありますが・・・
しかし、それって本当に センス なのでしょうか?
センスとは?
センス・・・物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。
と、辞書にあります。
この中でも「感覚」という意味合いとして、周りでは使っている事が多いように思います。
まぁ「センスが良い」と言われるのは悪い気分はしないですよね。何事も「良い」と言われた方が良いに決まっているものです。
しかし、感覚だけで仕事しているように思われるのはちょっと的外れでありまして。
そんな不確かな物差しでは、かえって仕事として効率が悪くなると思っています。
センスは不要
別の部門で仕事している人からも結構言われることがあります。
“音効さんって、センスが必要だから自分には無理ですわ〜”
いやいやいや。音効さんの仕事なんてセンス要らないよ!
これ、本気で思っています。
何も知らない人から見たら、本当にセンスが必要だと思うかもしれませんね。同業の人でもそう思っている方がいるかもしれません。(センスが必要だと思っていたらごめんなさい)
実は、ここからが言葉にし辛い部分ではあるのですが・・・
仕事における選曲というものは、基本的に流れの中で選曲していく事が多いと思います。
「この冒頭の1曲だけを選ぶっ!」
みたいな、仙人レベルの巨匠だったらセンス100%で臨む必要があるかもしれませんが、私のような端くれの音効さんは、1番組とか1コーナーとか。数分〜数十分。数時間という単位で、流れの中で選曲します。
曲数で言えば、10曲前後から多い時で100曲前後という単位でしょうか。
その曲数を、あてのない、
感覚
で選んでしまうのは、とても効率が悪いのです。ましてや、音効さんというのは時間が限られている事がほとんどです。
センスでは無く・・・
それでは、センス・感覚では無く、どんな方法で流れの中の選曲をしているのでしょうか。
私が選曲をしていて、重要視している事は、
視聴者聴衆者の感情の誘導
です。
映像に対しての選曲の場合でも、ラジオなど耳だけの情報伝達の場合でも、選曲の担う部分は、感情の部分です。
感情のコントロールというものは、理論的に慎重に。時には大胆に行わなければ響かない。と、思って私は仕事をしています。
つまり、何かをコントロールしてやろうとする部分に、自分の感覚だけを持ち込んで選曲してしまうと、見ている人の感情がバラバラになってしまうと思うのです。
そういう意味でオープニングやエンディングみたいな、特に作品イメージとして印象付ける箇所の選曲というのはセンスが必要かもしれません(さっきの巨匠の話みたいな)。
出来るだけ多くの人の感情をコントロールする方法。
例えば、
・一つの内容的な「頂上」を設定しておいて、そこに至るまでに徐々に盛り上げる。
・ギャップを出来るだけ多くするために散々盛り下げた所でインパクトある盛り上げを作る。
・物語の初めの方にイメージの強い曲を置き、忘れるか忘れないかくらいの所でそのイメージを復活させる。
などなど。
これらって感覚では無いと思っています。まぁ、手法自体にセンスがある。と言ってくれる人がいるならば、それが一番嬉しいかもしれません。
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センスがある選曲。
というよりも、
センスがある選曲手法。というのがいいのでしょうかね。
って、結局「センス」があるないになっちゃうか笑