三月。
別れの季節です。
この時期、別れの曲を求められることが多々あります。
まぁ最近では何かにつけて「卒業」という言葉を使われてしまうので、時期のものでも無くなってしまいましたが・・・
ここでいう、
卒業ソング
は、主に学業での卒業。その雰囲気に乗せての仕事的、会社的な卒業における楽曲や歌の事です。
常々言っているように、この選曲にも世代によって、受ける印象がだいぶ変わる成分を多く含んでいます。
そんなことも少し絡めてお話し出来たらと思います。
卒業ソングランキング
最近では、google先生にこの「卒業ソングランキング」の問いを投げかければ教えてくれるようになりました。
それ以前だと、
ユーミンの卒業写真を流せばいいんじゃね?
という空気だけ流れていたと思われます(笑)実は今もそういう風潮が無くもないのですが・・・
それでは、ランキングというほどではないですが、まとめサイトやランキングを個人的に見回って来た中で、「これは押さえておかないといけない」現代の卒業ソングを5つ紹介します。
3月9日 / レミオロメン(2004年)
今、最も有名で卒業ソングとして有力なのはこの曲ではないでしょうか。本来、歌詞の内容や発表の意図としては、結婚をイメージして作られた曲のようですが、ドラマで使用されたりして卒業のイメージが上回ったようです。
YELL / いきものがかり(2009年)
ここ何年かブーム、、、というか主流になっているのが、NHK全国学校音楽コンクールの課題曲が中学生〜高校生の気持ちを伝える歌をJ-Popシーンにいるグループが作るスタイル。というのがありますが、これもコンクールの課題曲になった曲。アンジェラアキの 手紙〜拝啓 十五の君へ〜 もそうでした。
道 / EXILE (2007年)
まとめサイトやランキングサイトで幅広く見かけたのがこの曲。合唱用にアレンジもされていて、それを聴くと「もしかして今一番しっくりくる卒業ソングでは?」と思います。
遥か / Greeeen (2009年)
TVドラマから映画化された作品で使用された曲。卒業自体がテーマに盛り込まれていたり、Greeeenならではの曲調が相まって卒業感が多く感じられる曲です。
旅立ちの日に (合唱曲)
昔でいう「仰げば尊し」。みんなで歌う卒業の曲と言えばスタンダードは今はこちらでしょう。埼玉県のある学校の先生方が作られたとのこと。
これら5つの曲は、2019年現在で10歳台〜20歳台の方々のスタンダードでは?と考えられます。
旅立ちの日に は、これを知っている世代と知らない世代は真っ二つに分かれるでしょう(笑)
世代別卒業ソング
さて、だからといって上記の曲がど真ん中では無い世代の人も多くいます。
担当ディレクターやプロデューサーにやっては「しらねー」と却下される事もあるかもしれません。
以下は、世代別・・・というか、もう少し上の世代で超メジャーだった曲。若い子の卒業ソングを知らないでボーッと生きている人にも一発でわかる卒業ソングを紹介します。
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まずは30歳台〜40歳台くらい狙い(←私はこの世代)
空も飛べるはず / スピッツ (1994年)
「白線流し」というドラマにてテーマソングとして使用された曲。当時ドラマの曲ってめちゃ売れたのよ〜。
my graduation / SPEED(1998年)
初めは卒業感ありありですが、途中から卒業無くなるところがあります。しかし、よく聞きました。
Tomorrow / 岡本真夜 (1995年)
元気づけられるような明るい楽曲。甲子園の行進曲に採用されたりもしました。
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続いて40歳台から50歳台以上。
卒業写真 / 荒井由実 (1975年)
テレビ業界における選曲として、卒業のど定番といえばこの曲。他の曲をメインにしていたとしても、とりあえずこれもデータの端っこでいいから入れておきましょう。頭の古いDやPは納得します(笑)というのは冗談として、それだけこの曲は卒業シーンに多用されて来たのです。
卒業 / 尾崎豊 (1985年)
当時、若者の声の代弁者といえばこの尾崎豊さんでした。学業からの卒業を機に「卒業」を語ります。実は今回の「卒業」のテーマからは外れる曲なのかもしれない。学校の窓ガラスを割る時代でしたもんね。
贈る言葉 / 海援隊 (1979年)
金八先生のイメージもあり、学校のイメージが強い楽曲。この曲が流れると荒川の土手が脳内に映像が流れる人も多くいます。って、「人として」と混同する場合もありw
世代無関係な卒業ソング
聴いたら、
「あっ、卒業だな」
と、わかるような曲。
流し聞きで判断した感じだとこれかなーというのの紹介です。
トモエ学園 / 福山雅治 (2017年)
私はこの曲のイントロに、晴れた日の学校の教室を思い浮かべられるし、そういうMVもあります。この曲がテーマのドラマの時代背景があるのかノスタルジックな雰囲気もあり、幅広い世代で卒業を認識できるのではないかなぁと思います。
さくら(独唱) / 森山直太朗 (2003年)
やはり、日本人として「桜」を歌う曲は、遺伝子レベルで何か別れや出会いを想像するように出来ているのでしょうか?合唱曲もあり、卒業式に歌った方もいるかもしれません。
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卒業ソング。
そういえば、「入学ソング」「入社ソング」というのはあまり聞きませんね。
それぞれの世代で聴き馴染んだ卒業ソングがあると思いますが、選曲をしている上では、視聴者層がどこに向いているのか?その曲を流すシーンはどんな場面が?にも寄るところが大きいと思います。
自分の世代だけで卒業ソングを決めつけてもいけないし、音効さん選曲さん個人で決めつけるのは危険な事もあります。
いやぁ。制作さんとか、周りにいる人の年代に合わせてしまうことも多いんですけどね、この手の選曲というものは。
ただ、知識としても選曲家としては持っておきたい情報ですし、これからもこの知識は収集しておきたいと思います。